<<研ぎの極意>>
@ラシャ鋏を研ぎます。

・刃コボレ、歪み、ネジの動き確認します。
A刃の反り具合具合を確認します。

・曲がりすぎていないか、反対に反っていないか、なだらかなカーブであるか二枚の刃を確認します。
 
B刃を閉じて隙間の幅を確認します。広い所で1oくらいが一番スムーズな動きができます。


C歪み直し棒を使って一番ベストなカーブに調整します。
 
Dネジをはずしてハサミを分解します。

・左から@ボルト、A広穴ワッシャ、Bスプリングワッシャ、C鋏刃左、D鋏刃右、E狭穴ワッシャ、Fナット。
E刃裏をスキ直します。最初はベルトの粒度は#100。仕上げは#240です。

・ベルト下のテーブルは、φ500oの曲面です。ハサミの刃は約45°に傾けて当ててゆきます。
 
F小刃を研磨します。普通の角度は45°ですがここではもう少し薄くしたいので25°くらいの小刃を作ります。

・ベルトの粒度は#100。
Gサンドホイールで、ハサミの錆や汚れを研磨してきれいにします。粒度は#180を使用。
 
Hベルト作業が仕上がったハサミの刃に水研機で小刃を付けます。角度は45°。水研機の粒度は#1000.
I研ぎ上がったハサミの刃を組み付けます。
 
J組み付けたハサミの切れ味をチェックします。
K薄く椿油を塗って完成です。
 
◎ラシャ切ハサミの種類は大きく分けて三種類です。上級、中級、並級にもっといえば上級の中には“名門”があり、並級の下に論外の鋳物製があります。
◎どこが違うのかというと、ハサミの刃の構造が決定的に違ってきます。
◎名門、上級、中級の鋏刃の構造

・刃の表側が地金、刃の裏側全面に鋼(ハガネ)が鍛接されていますので研磨して刃幅が減ってきてもかなり長い間使用できます。
・地金の役目は、より固い鋼(ハガネ)を折れから守り、硬い鋼は切れ味が長く保たれ、動きもスムーズです。
◎並級の鋏刃の構造

・刃全体が鋼(ハガネ)構造で、切れる部分に焼きが入れてあり硬くしてありますが長期間の使用には耐えられません。
・全体が鋼の構造(全鋼)はあまり硬く焼入れができないので切れ味が早く鈍ります。